連鎖による災害の発生と拡大~桜木町事故に学ぶ~


負の連鎖により、悪い事態が発生し、さらに被害が拡大してゆくことは頻繁に起こります。
日常生活でも、人生や社会の大きな問題でも、事故でも、そして自然災害でも・・

連鎖する多数の要因のうちの一つでも事前に防げていたら、被害は発生しないか、発生しても大幅に小さな被害で済んだはずと、後で後悔します。

後悔しないためには、過去の事例を知り、連鎖とはどのように起きるのか、どうすれば連鎖を断ち切れるのかを学ぶことがとても大切です。

ここでは自然災害ではありませんが、戦後間もない 1951年(昭和26年) の起きた桜木町駅電車火災事故を振り返ります。
神奈川県横浜市の桜木町駅(当時は支線の終端となる行き止まり駅)の近くで発生し、106名が亡くなりました。

子供の頃、近所のローカル線で3段窓の電車が走っていて、大人達から「3段窓には気をつけろ」とよく言われました。その頃には既に改造されていて3段窓でも危険ではなかったので、今思うとある意味では間違った情報だったのですが、記憶の伝承という意味では大事な体験だったと思います。

その記憶を紐解き、事故から74年目の今日事故の経過を整理したところ、実に21もの要因が連鎖していました。そのうちの一つでも防げたらこんな大事故にはならなかったと思うと、亡くたった方やご遺族の無念は察するに余りあります。

※ハインリッヒの法則:一つの重大事故の背後には多数の中小事故と、さらに多くの数のヒヤリ・ハット(事故とは呼ばない程度のヒヤリとした、ハットしたという「危なかった」という体験)があるとの法則。小さな不具合からきちんと対策しておくことが大きな事故を防ぐには大切との考え方。


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