幽霊と科学 ~あなたは幽霊を信じますか? (2)

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前回(その1)では幽霊の存在を題材に、科学的に正しい態度について考えてみました。
今回は、もう少し「科学的に見る」ことについて考えてみたいと思います。

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一見、科学的に正しいと思えることにも誤りの可能性は常について回ります。

特に
 ①目に見えないからと否定する
 ②感覚的に正しいと信じ込む
この二つは重大な落とし穴になりがちだと思います。

もちろん「感覚」が大切な場面も多いですし、たくさんの「経験」に裏打ちされた「直感」が しばしば優れていることも承知しています。
でも、注意しないと大きな過ちを起こすことがあることも承知しておくほうが良いと思います。

①目に見えないから否定する
現代の私たちはテレビにラジオにスマホにと、日々電波を利用して実感しています。誰も電波の存在を疑う人はいないでしょう。
でも、200年前の人々は誰もそんなものは信じなかったでしょう。目に見えないからです。
そして、電磁波の発見を目に見えないからと周囲が否定し続けていたら、今もスマホは存在しなかったことでしょう。

②感覚的に正しいと信じ込む
天動説と地動説という話を聞いたことがあると思います。

今ではごく一握りの人を除いて天動説を信じる人はいません。様々なデータから地動説が科学的に証明されているからです。
私も地動説が正しいと信じています。でも、感覚的には今でも天動説のほうが絶対に正しく感じます。太陽も星も、宇宙が自分を中心に回っているようにしか見えません。自分が猛烈な速さで回っているなんて思えません。
感覚的に正しいことが真実であるとは限らないのです。

学校という教育の場では、もっとこのような科学的な見方、基本的な態度を、繰り返し教えるほうがよいと思います。
学校だけでなく、家庭でも。
そうしないと、真に科学的な態度をなかなかに取れない気がしますし、思い込みから何か大きな過ちも見過ごす気がします。

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同じことは防災でも言えると思います。本当は何が正しいのか、思い込みではないのか、いつも冷静に考える必要があるように思います。

災害時には「そんなこともありそうだ」「そんな気がする」という思い込みで被害や混乱を大きくすることが繰り返されています。
動物園の虎が脱走したという悪質なデマを信じてSNSで拡散してしまった事例もそうですし、豪雨時に「ここ(家)は大丈夫に違いない」との希望的憶測(正常バイアス)で逃げ遅れてしまうのもその一種だと思います。

我が身を振り返って、改めて心しないといけないなと思いました。


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