令和6年 能登半島地震 からの教訓 ≪自治会編≫ (その3)


能登半島地震を教訓に、(その1) (その2)では災害直後に自治会がするべきことを考えました。また、住民編では一般住民に望まれることを整理してあります。

3.平素からの住民向け広報の重要性

住民編に記した内容は、住民の皆さんに平時から知って頂き、とっさの時に望ましい行動を取って頂きたい内容です。
自治会が積極的に広報しないと、これらの知識を住民が得ることは難しいです。
特に、
・耐震性の低い建物 (1981年以前の旧耐震基準の家屋など) の1階に居ることの危険性
・いざという時のお互いの声掛けや救助等の助け合い(消防も警察もすぐに駆け付けるのは困難)
・平素からの備蓄の重要性(公的な備蓄は量を期待できない)
は意外と住民に「我が事」として真剣かつ正しく意識されていない場合も多く、自治会による積極的な広報が望まれます。

いざとなってから慌てても、遅いのです。

4.救援物資ニーズの把握と発信、事前の備え

水・食料や簡易トイレ機材等は、現在では国のプッシュ支援により比較的早く届きます(交通事情にもよります)。少し経つと余って山積みされて、余ることもあるほどです。

一方、不足するものもあります。今回や東日本大震災では衣類(防寒着、下着、雨具)や暖房用燃料の不足が言われました。人工呼吸器用電源、乳児用粉ミルクやおむつの不足が問題になったこともあります。

どうしても支援物資の需要と供給にミスマッチは発生しますので、地域で何が不足し何が足りているのか、ニーズを把握して行政に発信するのも自治会の重要な役割です。

なお、今回の被災地は地震に強いLPガスが多い地域でしたが、都市部が被災した場合、熱源を都市ガスや電力に頼る家庭が多く、焚火に慣れない住民も多いため、復旧までの熱源(炊事、冷暖房)に事欠く家も多そうとの想定のもと、準備を進める必要があります。

5.二次避難を促す活動

彩防災では、以前より「広域避難」の重要性について訴えてきました。今回の能登半島地震で「二次避難」との言葉が一般に広く知られるようになったと思います。
広域避難(二次避難)には二つの重要性があります。
・被災者の命と健康を守る (災害関連死の防止)
・被災地に居る被災者が減ることにより、救援・復旧・復興が効率的に進む

阪神淡路大震災で被災地に駆けつけた時、すぐ近くの大阪市内は何の被害も無く全く平常通りの生活をしている一方で、神戸市内ではビルが転倒し家屋が潰れ、被災者が小雪の降る中、体育館の冷たくて固い床に寝転がって震えているという異常な光景を目の当たりにしました。
大阪など被災地の外へ一歩出れば良いのに・・と強く感じました。
(大阪の宿は一杯だったので、より遠方への避難が必要でしたが・・)

もちろん、住み慣れた土地を離れて知り合いもいない所に行きたくない、仕事や子供の通学の問題、自宅が心配、復旧・復興に乗り遅れるのではないかと心配・・など様々な理由で広域避難(二次避難)を躊躇することもわかります。
しかし、緊急時では、まずは自分の命と健康を守ることが第一です。
「ちょっと旅行に行って来る。かならず帰るから、片づけは後でいい」位の気持ちを持てることが大切です。

1)平時からの広報

いざ災害時に、人間はなかなか理性的・合理的な判断をすることは難しいです。
平時のうちから、遠くへの避難を考え、腹を決めておくことが大切です。
親戚・知人宅に身を寄せるか、短期間のホテル暮らしやアパートを借りるか、近場は空きがなくなるから思い切って遠くに行こうかなど、考えておくべきだと思います。
また、「新しい土地で、今まで出会えなかったような新しい知り合いを作れる!」と前向きな気持ちを持っておくことも重要です(もちろん、それが難しい人も少なくないので、配慮は必要ですが)。
住民がこのような考えを出来るように、自治会は平素より広報を繰り返すべきだと思います。

2) 災害時の活動:情報提供による不安解消

いざ災害時に広域避難をためらう要因の一つに、自宅が心配とか復旧・復興に乗り遅れるなど、情報が不足することの心配が大きいと思われます。
このため、自治会が情報発信(現地のインフラ復旧状況、街の状況、復旧・復興の支援策等)をインターネットできめ細かに発信するのが望ましいです。
可能であれば、主要な通り沿い等を動画撮影して見られるようにすると、遠いの避難先でも雰囲気を把握しやすくなり、戻るタイミングの検討にも役立ちます。
このような情報提供を予定していることも、平素からの広報の中でしておくと良いと思います。

令和6年(2024年)能登半島地震からの教訓
(その1)「災害直後の自治会の役割①:被害の把握」へ
(その2)「災害直後の自治会の役割②:住民への呼び掛け」へ
(その3)「災害直後の自治会の役割③:情報発信」へ
     「能登半島地震からの教訓:住民編」へ


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