風呂の残り湯


台風シーズンも、まだまだ油断できませんね。
関東地方では、2019年の秋に千葉県を中心に風による大きな被害を出した台風15号と雨による大きな被害を出した台風19号が立て続けに襲来しました。

台風接近時には断水に備えて風呂に水を溜めておく御家庭も多いかと思います。
また、不意の地震に備えて、日常的に風呂の残り湯を溜めておく御家庭も少なくないと思います(洗濯にも使えますし)。



残り湯は雑菌も多く飲用には不向きですが、断水時でもトイレ用など雑用水には使えて助かります。場合によっては残り湯で洗い、最後の仕上げできれいな水ですすぐ使い方もあります。
そして、出火した時にはバケツで残り湯をかけたり、毛布を残り湯にザバっと突っ込んでたっぷり濡らして火に被せたり、残り湯があるとすごく心強いです。


ところで、年に1~2回で前日から綺麗な水を溜められる台風はともかく、いつ起こるか分からない地震に備えて風呂の残り湯を毎日溜めておくか、いや溜めても仕方ない、溜めないほうが良いなど、いろいろな意見があります。
どう思いますか?

1) 溜めても仕方ない?

阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)で「普段から風呂の残り湯を溜めておいたが、激しい揺れで殆どこぼれてしまった。意味が無かった、無駄だった」という経験談があります。

確かに、地震でそうなる場合もあると思います。
でも、地震でいつも必ずそうなるとは思えません。

風呂の残り湯が出てしまうかどうかは、地震の揺れ方(揺れの方向や周期、大きさなど)、その建物の揺れ易い周期や風呂桶の方向・サイズ(お湯の揺れ易い周期)など、様々な要因が絡みます。隣のお家でも違うのです。
だから、残り湯が殆ど出てしまう場合もありますが、かなりの量が残って助かる場合も多いと思います。

溢れて無駄になる場合もあるが、お湯が残って助かる場合も多そう
⇒ それなら溜めておくべきでは?
⇒ でも、運が悪ければ殆ど無くなってしまう場合もあるので、そのような場合もあると覚悟はしておく

というのが妥当な考えかなと思います。
「こぼれて意味がないから、溜めておかない」というのは、やや短絡的な考えに感じます。

2) 衛生面でよくない?

風呂の残り湯を翌日に洗濯に使おうとして、湯が痛んでいて「臭い!」、そんな経験ありませんか?

そして「災害時に残り湯を使おうとして、跳ねが目に入って、社会が麻痺している時に眼病になったら大変だから、残り湯など置いておかないほうが良い」という意見もあります。
確かに一理あります。一理あるどころか、いろいろな事態を想像している、とても優れた意見だと思います。

私は、湿った汚れ(腐る、かびる)が大嫌いなので、傷んで臭くなった(雑菌が繁殖した)残り湯も嫌いです。だから、この意見もわかります。
災害時でなくても、日常で洗濯に腐ったような残り湯で洗うのは気持ち悪くて嫌です。

でも、災害時の備えとしては残り湯があったほうが良いと思いますし、日常生活でも節水のためにも洗濯に残り湯を使いたいです。
そこで、普段から一工夫しています。

我が家では、最後にお風呂に入った人が、塩素系漂白剤を少し入れています。

入れる量は風呂桶のサイズや家族構成、その時の汚れ具合にもよりますが、我が家では経験則的に 40cc 程度で十分です(小さなヨーグルトカップの半分くらい)。
こうすると、翌朝に洗濯しようとした時にお湯が臭いと感じたことはありません。微かな塩素臭が残ってる位です。
あまり濃度を濃くすると風呂釜や浴槽を痛めるかもしれないので気をつけています。
40cc 程度なら水道の残留塩素よりも薄いので問題ないと思います。
(どうしても風呂釜や浴槽への影響が心配という方は、普段は入れずに、災害時だけ傷んだ残り湯に塩素を多めにいれる方法もあります)

日常生活でも有効ですし、漂白剤の価格は1日に10円もしません。
注意点として、塩素は温度が上がると揮発しやすいようなので、お風呂に最後に入った人が、出る時に湯沸かし機の風呂保温をOFFにしてから入れるようにしています。
あと、体を洗ってから入るのも重要ですよね。


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