1.えっ! これでは何も出来ない!
私が所属する町会での話です。
防災部長に就任した時、まずは現状把握のため資機材や備蓄品を確認しようとしましたが、
ムムッ? リストがない・・
何がどのくらいあるのか、前任者も含め誰も知りません。しかも倉庫も雑然としていて近寄り難い・・
これはいけないと、保有量を調査。
調査の結果、資機材が非常に乏しく、水・食料に偏重。水と食料の量もアンバランス。
総じて、補助金の枠一杯に、毎年場当たり的に買っていたのが見て取れました。
そして、いざ災害が起きた時、通信機材(無線機)すら無い状態で町会は何も出来ないであろうことが容易に想像できました。
一番の問題は、何が目的で何をどれだけ備えるのか、方針が無かったことでした。
補助金枠一杯に買うことが目的になっていたのです。
2.例えば水・食料。町会で備蓄する意味はあるのでしょうか? あるとすれば目的は?
町内には二千数百人の住民がいます。
住民全ての水・食料を町会が一週間分備えようと思ったら・・その数5万食以上!
町内に巨大な倉庫を建設して毎年大量の水と食料を購入する必要があります。毎年、町会の全予算を投入しても、とても間に合いません。そんなことを出来るはずがありません。
まったく現実的ではないのです。
そう、水・食料は各家庭で備えてもらうしかないのです。
各家庭で無理なく可能な日常備蓄(ローリング・ストック)については別の機会にご紹介します。
そうすると、町会で水・食料を備蓄する必要はなくなります。
町会が加入全世帯に配布している防災チラシで、水・食料は各家庭の責任で備え、町会では備蓄出来ないと宣言してあります。
でも、実際には会館に水・食料を備蓄してあります。何で?
これは災害時、町会活動に従事してくださる方の労力に、少しでも報いようという目的です。
災害対策に従事してくださる方には、水と2食(昼食、夕食)、行動食を用意しています。
3.何がどの位の量、必要か?
資機材も備蓄品も何が本当に必要かを考えてから計画的に備えないと、無駄な労力になるかもしれません。
想定が大切です。
そのため、次のステップで考えることが必要です。
1st STEP:災害時にはどんな状況になるのか?
2nd STEP:その状況に対応するため、町会は何をしないといけないか?
3rd STEP:そのためには、どのくらいの人員と資機材が必要なのか?
町会ではこのSTEPで必要な資機材や備蓄品の量を決め、防災部長就任後の5ヶ年計画でゼロベースから整備しました。
水・食料は、最初の3日間で毎日50名を動員、次の5日間で毎日20名を動員する計画で延べ250人分500食(1日2食分)を備蓄することに。
8日間は外部からの救援をアテにせずに自立的に活動する計画です。
彩防災企画では、これらの経験を踏まえ、このSTEPを考えるのに必要な具体的なヒントとアドバイスを提供いたします。
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